鉄筋カッターのモーターが動かないときの対処方法は?

鉄筋カッターが切れないどころか、

『そもそもスイッチを押してもモーターが動かないんだけど』

『スイッチを押してるのに一瞬動かなくなるときがある』

と困っている人に向けて問題別に対処方法をまとめてみました。

この記事を読むことで、鉄筋カッターが動かなくなった場合に

簡単な処置で対処できるのか判断できるようになります。

ナカタニ機工

こんな悩みを解決できる記事を書きました。
年間100台以上の鉄筋カッターを修理しています。

1.鉄筋カッターのモーターが動かないときに最初にチェックするポイント

 まず始めに確認するのは、カーボンブラシの摩耗具合のチェックです。

 カーボンブラシはモーターに接触して電気を流す役割があるのですが、

 鉄筋カッターを使用していると、カーボンブラシがすり減っていきます。

 カーボンブラシが摩耗しすぎると、モーターに接触しなくなるため

 電気が流れず動かなくなってしまいます。

 ※鉄筋カッターによっては、カーボンブラシを使用しない

  ブラシレスタイプもあります。

コード付タイプ
 
新品のカーボンブラシ
(コード付タイプ)  
摩耗したカーボンブラシ
(コード付タイプ)   
コードレスタイプ
 
新品のカーボンブラシ
(コードレスタイプ) 
摩耗したカーボンブラシ
(コードレスタイプ)  

●確認方法
 ブラシキャップが外観部にある場合、

 外観部のキャップを外してカーボンブラシの摩耗量を確認

 ブラシキャップがケース内部にある場合、

 ケースのネジを外してカーボンブラシの摩耗量を確認

●対処方法
 摩耗量が大きい場合、カーボンブラシを新品に交換する

 カーボンブラシ交換の目安についてはこちらをチェック

 ▼カーボンブラシの交換時期と注意点

2.そのほかの鉄筋カッターのモーターが動かない原因は?

2-1 コードの断線

 コード付タイプの鉄筋カッターは、外見からはわかりませんが

 コード内部で断線している場合があります。

 断線箇所の接触具合によって、全く動かなかったり、

 動いたり止まったりする現象がおこります。

コード内部で断線する場合あり

●確認方法
 テスターで『プラグ&コード先端(プラグと逆側)間』の導通を確認

●対処方法
 コードを新品に交換する

2-2 バッテリー残量がない

 コードレスタイプの鉄筋カッターでは、

 バッテリー残量がないと全く動きません。

 長い間、鉄筋カッターを使用せずに放置していた。

 または長時間使用した場合は

 バッテリー残量がなくなっている可能性があります。

バッテリー
後側の残量確認ボタンを押
赤ランプで残量を確認

●確認方法
 残量確認ボタンを押してバッテリー残量を確認
※バッテリーによっては残量確認表示がない場合があります

 バッテリーが充電器で充電可能か確認

●対処方法
 バッテリーを充電する

 充電出来ない場合はバッテリーを新品に交換する

2-3 スイッチの故障

 スイッチ自体が故障している場合、スイッチをおしても

 電気が流れないため鉄筋カッターが動きません。

 こちらも接触不良の場合、動いてる途中で

 止まったりする可能性があります。

スイッチ箇所(コード付タイプ)
スイッチ内部で故障する場合あり
スイッチ箇所(コードレスタイプ)
スイッチ内部で故障する場合あり

●確認方法
 テスターでスイッチ間の導通を確認

●対処方法
 スイッチを新品に交換する

2-4 アマチュア、ステータの故障

 モーター部を構成する部品がアマチュア、及びステーターとなります。

 この部品も電気の通電箇所が破損していると

 鉄筋カッターが動かない、または動いている途中で
 
 パワーダウンするといった症状がおこります。

アマチュア、ステーター箇所
アマチュア(コード付タイプ)
通電箇所
ステーター(コード付タイプ)
アマチュア、ステーター箇所
アマチュア(コードレスタイプ)
通電箇所
ステーター(コードレスタイプ)

●確認方法
 テスターでアマチュア、ステーターの導通を確認

※確認する為に分解する必要がありますが、
 手間が掛かるため、個人での実施はおすすめしません


●対処方法
 アマチュア、ステーターを新品に交換する

3.鉄筋カッターのモーターが動いているのに刃がでないのはさらに別の原因

 モーターが動いている場合、上記で紹介した電気的な問題はないと判断できます。

 逆にモーターが動いているのに、カッターの刃が出ないのは

 オイル不足、内部パッキンの破損、及びピストンの変形などが考えられます。

 これらの原因については、別記事にてまとめています。

 困っている方は、ぜひ目を通してください。

 ▼鉄筋カッターが鉄筋を切れない時の原因は?

 ▼知っておきたい油圧鉄筋カッターのオイルの種類と入れかた

4.まとめ:鉄筋カッターのモーターが動かないときはまずカーボンブラシをチェック!!

 個人で1番簡単にチェックや交換ができるのが

 カーボンブラシのチェックです。

 動作に問題がなくても、長期間使用している場合は、

 1度カーボンブラシを確認してみましょう!

 カーボンブラシ、コード、及びバッテリーの交換は、

 修理屋さんやホームセンターで購入できるため個人でも対処可能です。

 ただしスイッチ、アマチュア、及びステーターが故障している場合

 部品の入手や分解が難しいため、修理屋さんまたはメーカーさんに持って行きましょう!

 カーボンブラシの交換について詳しく知りたい方はこちらをチェック!

 モーターが動くようになったけど、『鉄筋カッターが切れない』

 『ピストンが戻らない』『修理に出したい』といった

 修理内容について詳しく知りたい方はこちらをチェック!

 カーボンブラシ以外の消耗部品やメンテナンスについて詳しく知りたい方はこちらをチェック!

 新品や中古の鉄筋カッターの購入を検討している方は

 下記にも目を通してみてください。

この記事を書いた人
ナカタニ機工は鉄筋事業者様向けの
機械/道具の修理屋さん、及び販売店。
年間100台以上の鉄筋カッター、ベンダーの
豊富な修理実績があります。
30年以上修理に携わってきた経験・ノウハウがあるからこそ、
的確な修理をご提供いたします。

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