鉄筋カッター替刃の交換時期と種類

鉄筋カッターをしばらく使っていると刃の切れあじが悪くなってきます。

『切れあじが悪くなってきたらどうすればいい』

『替刃の交換目安がわからない』

『替刃がはずせない』と困っている人に向けて

替刃について詳しくみていきましょう。

刃の切れあじが悪くなると、作業効率が落ちるだけでなく

鉄筋カッターにも余計な負担がかかってしまいます。

記事を読むことで、替刃交換の目安や交換のやりかたを

マスターしていってください。

ナカタニ機工

こんな悩みを解決できる記事を書きました。
年間100台以上の鉄筋カッターを修理しています。

1.鉄筋カッター替刃の交換目安は?

 切断面に欠け、変形、およびヒビがみられる。

 または2,000本ほど切断したら交換目安です。

 材料の硬さや切る角度の具合によっても、消耗の仕方に差がでてきますが

 切断面にくぼみ(変形)ができる場合がほとんどです。

 この状態で鉄筋カッターを使用し続けると、

 モーターやピストンなどに余計な負荷がかかり故障の原因となります。

欠け
変形
ヒビ

●確認方法

 替刃をみて、切断面に欠け、変形、およびヒビがないか確認

●対処方法

 替刃の切断面をローテーション(入れ替え)する

 新品の替刃に交換する

2.鉄筋カッターの替刃は裏返しても使える?

 鉄筋カッターの替刃はローテーション(入れ替え)することで

 1つにつき最大4面まで使うことができます。

 切れあじが落ちてきてた場合、新しい替刃を購入する前に

 まず替刃を外して使用できる面が残っているか確認してみましょう。

切断面
手前側 切断面 2ヶ所
裏側 切断面 2ヶ所

●確認方法

 替刃を固定しているボルトをはずして、切断面4ヶ所を確認

3.鉄筋カッターの替刃の種類

 替刃の種類はメーカーにもよりますが

 ST刃(スタンダード)とSP刃(高強度)の2種類があります。

 2つの違いについて簡単に説明すると、

 SP刃は、強度の1番高い特別な鉄筋(異形棒鋼 SD490)

 切るのに使用します。

 ST刃は、それ以外の鉄筋を切るのに使用します。

●鉄筋 異形棒鋼の強度

 低 SD295 < SD345 < SD390 < SD490 高

 SP刃は強度の高い鉄筋を切ることができますが

 価格がST刃よりも数千円以上高くなります。

 そのため特別な鉄筋を切らない場合は

 ST刃を使うことをおすすめします。

●ST刃(スタンダード)

 コスト : 普通(機種により値段がちがう)

 強度  : SD295~SD390の材質に使用

●SP刃(高強度)

 コスト : ST刃よりも数千円高い

 強度  : SD490(高強度)の材質に使用

4.鉄筋カッターの替刃はどこで買えばいい?注意することは?

 替刃はホームセンターなど一般的には販売していません。

 購入する場合は、鉄筋カッターを買った専門店や

 オンラインショップにて購入してみてください。

 また購入に関して注意点があります。

 鉄筋カッターのメーカーや機種によって

 替刃の種類が決まっています。

 自分が持っている鉄筋カッターに

 取り付けられるか確認してから購入しましょう!

ナカタニ機工では、オンラインショップにて

鉄筋事業者様向けの機械や道具も販売しています。

鉄筋カッターの替刃がご入用の方は、

下記よりご購入いただけます。

5.鉄筋カッターの替刃がはずれないときの対処法

 替刃の交換でボルトがはずれない原因の多くが、

 刃を固定しているボルトの固着です。

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 錆やネジ山に異物が入りこんでいるため

 非常に固く、下手をするとボルトがなめてしまいます。

●対処方法

 ①: ボルト頭の穴(六角レンチを入れる場所)、及びボルト周りの掃除
    しっかりボルト穴にレンチを入れ、8分の力でまわしてみる

 ②: KURE 5-56のような潤滑剤をボルトのネジ山にしみこませる
    ネジ山に潤滑剤がいきわたるように10分程度放置する
    しっかりボルト穴にレンチを入れ、8分の力でまわしてみる

 ③: ②でボルトがはずれない場合、潤滑剤をしみこませて1晩おいてみる
    翌日しっかりボルトにレンチを入れ、8分の力でまわしてみる

 ④: ボルトがなめてしまった場合、ドリルでボルトを破壊する
    ※手間がかかるため、個人での実施はおすすめしません


●注意点

 ボルトの穴おくまでボルトが入っていないとなめやすくなる

 ボルトがなめそうであれば、すぐにまわすのを止める

潤滑剤
掃除した後に潤滑剤
裏側からもしみこませる

 他にも特別な工具を使えば、ボルトはずす方法がありますが

 工具の購入に余分な費用がかかってしまいます。

 また購入したからといって確実に外れるとはいえません。

 ここまで固くなっている場合や、ボルトがなめてしまった場合、

 個人で対処するのは非常に手間がかかります。

 その場合、消耗部品のメンテナンスを含めて

 専門店またはメーカーさんに持って行くことをおすすめします。

 修理の頼みかたや費用についてはこちらをチェック

 ▼鉄筋カッターの修理の方法は?

6.まとめ

 まずは切断面に欠け、変形、およびヒビがないか確認!

 または2,000本ほど切断たら替刃の

 切断面をローテーションしましょう。

 替刃の種類は強度の高い特別な鉄筋(異形棒鋼 SD490)以外なら

 基本的にスタンダード刃で大丈夫!

 適切な替刃交換をマスターすることで、

 鉄筋カッターを長く使っていきましょう。

 替刃交換の次に『オイル』や『カーボンブラシ』の交換といった

 メンテナンスが気になったかたは

 下記にも目を通してみてください。

 ▼知っておきたい油圧鉄筋カッターのオイルの種類と入れ方

 ▼鉄筋カッターカーボンブラシの交換時期

この記事を書いた人
ナカタニ機工は鉄筋事業者様向けの
機械/道具の修理屋さん、及び販売店。
年間100台以上の鉄筋カッター、ベンダーの
豊富な修理実績があります。
30年以上修理に携わってきた経験・ノウハウがあるからこそ、
的確な修理をご提供いたします。
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